庭は、人々が、自然とともに生活し四季の様相の移ろいと風情を楽しむ、生きた舞台

アキアカネの飛び交う田んぼの畦道で、背丈よりも高く茂った茅の藪に、祖母がふいにガサゴソと鎌を立てて分け入った。しばらくすると、一反ほど離れた先から戻ってきた祖母は、小脇に一束のミヤマリンドウを抱え、茅の前に立っていた。

笑顔の祖母と、ミヤマリンドウの深紫青色の花束、秋を迎える銀箔色の茅草を背景に、西日に照らされた風景は美しかった。

人と自然との繋がりは美しい。

花を束ねて誰かに贈ること。種を蒔いて、収穫の楽しみに待つこと。子供が野山を駆け巡ること。

子、そして孫の代を見据えて森を育てること。時間的感覚は違うけれども、貫道する心はひとつであると私は思う。

造園の仕事は、ひとつの限定された場を与えられ、植物を主体として空間を演出表現する技術が求められる。

前提として、そこには自然があり、潜在自然植生は何なのか。現地転石、及び採掘石等の鉱物の有無、井戸または河川から水を引き込めるのか等の敷地条件を読み、地域ごと環境の性格をとらえることから、空間づくりが始まる。

しかし、現代建築工事においては、自然を切り開くことから始まることが多々見受けられる。つまり、敷地の表土は剥がされ、固められ、植物の根の行きどころは、ひとつも残っていないというのが実際のところである。

自然にして自然ではない環境を、私は再び土壌環境から改善し、植物が生きることができる条件を作り出す。または、環境に耐えられる種を選択する。環境に適応し生き生きとした生命力をもとに、空間を本来の自然の姿に近づけること。さらに、庭と建物とを一体の空間としてとらえ、生活の一部に、作られた庭ではなく、人本来に戻ることができる心地よい場、「園」を添えることが、造園家としての私の責務であろう

庭は、人々が、自然とともに生活し、四季の様相の移ろいと風情を楽しむ、生きた舞台である。

人が集い焚火を囲む時間が人の心をいやすのは、太古からの庭の原型であるからかもしれない。

命ある植物を素材として庭をつくることに責任を感じつつ、自然を畏敬しその場と人との邂逅に感謝し

風土と文化をもとに土地の力を喚起した空間、ひとの手を感じるぬくもりのある情景、

自然の様相と風情を楽しむ場を、守り育てることを仕事として目指したいと考えている。


有限会社 山田雄太郎造園事務所

住  所〒182-0003 東京都調布市若葉町 1-32-13
Tel&Fax03-3307-1987
E-mailinfo@yutaroyamada-lg.jp

業務内容

  • 地域計画に関するコンサルタント
  • 公園、外部空間の基本構想、計画、施工
  • 各種庭園研究調査、設計施工
  • 庭園、テーマパーク、草花計画施工

主要作品

妙照寺 本堂前「大杉の庭」
中島屋 焼津グランドホテル
琴平グランドホテル 紅梅亭 花てらす
大島立島ゲストハウス
三春ガーデンファーム
遠刈田温泉山荘 だいこんの花
高知城西館ホール前
出雲玉造温泉 佳翠苑 皆美 中庭
伊賀の里モクモク手づくりファーム 広場
温海温泉萬国屋 露天風呂
長島温泉「なばなの里」あじさい園
渥美角上楼
ホテルリッチ酒田
伊豆アルカナ
松江 皆美館
休暇村南伊豆
湯主一条

厨八十八
那須チーズガーデン
鬼怒川温泉ホテル三日月
福島 母畑温泉 八幡屋
鬼怒川 金谷ホテル
UIP長岡
庭のホテル 東京
ゆと森俱楽部
角館山荘侘桜
恵那 銀の森
nesta resort kobe
中国大連 樹源温泉
休暇村リトリート安曇野ホテル
那須塩原 全室離れの宿 楓音
銀の森キャンパス


経  歴

山田茂雄 山田茂雄造園事務所 創業者

1972.3東京農業大学農業工学科卒業
日本全国、主な庭園スケッチ旅行
1972.4西洋庭園史 針ケ谷鐘吉先生の紹介にて
㈲綜合庭園 研究所 勤務
1977.4-9フランス、スイスアルプス植物調査スケッチ旅行
1981.2ハワイ10日間、植物園視察旅行
1991インドネシア、ボーゴール15日間視察旅行
1994.3-武蔵野美術大学 建築学科 日本庭園史非常勤講師
1997私の部屋ビズ プロの作品部門ガーデン大賞受賞
2001.6有限会社 山田茂雄造園事務所 設立
2005森吉 有限会社 森のテラス 設立
2020東京農業大学造園大賞受賞

山田雄太郎 山田雄太郎造園事務所 代表取締役

1979東京生まれ
2002山田茂雄造園事務所勤務
個人邸からホテルや旅館、商業施設の庭を手がける。
農業生産法人 森のテラス設立に関わり、里山、農を通して自然環境保全に取り組む。
2005有限会社 森のテラス 取締役
2015ロシア連邦ブリヤート共和国ウラン・ウデにて外務省の要請により
日露青年交流事業日本庭園造園交流プログラム監修。
2019山田茂雄造園事務所から山田雄太郎造園事務所に名称変更。
代表取締役に就任。